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君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ


………………

「今から貴女の過去と向き合います。
いいですね」

「……」
僕の発言に返事が出来ないさんも

「さん、思い出したくない事もいっぱいあンだろう。でもな、アンタさ、このままじゃ……誰とも幸せになれねェだろ?」

虎徹さんの言葉にやっと、ポツリと呟いた。

「誰とも……」



「貴女には幸せになる権利がある。その為に、目が見えなくなった原因を探りましょう」

「アンタには明るい未来を見て欲しい。これがライアンの望みなんだ」

僕と虎徹さんが優しく話しかけると

「ライアンの……?
私は誰ともなんて、願っていないんです……
でも私の目が見えるようになることが、ライアンの願いなら……」

少しずつ自分の想いを吐き出すさん。

「えぇ。彼は今ここには来れませんが、彼もまた貴女の為に戦っているんですよ」

「……」
その言葉を聞くと、グッと唇を噛み締めたさんが


「私は、私とライアンの為に出来ることをします」


小さな声で言った。



でも、その声は凜として、とても力強い声だったんだ。





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