第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
「貴方と出会えて一緒に過ごした時間が、夢のようだったって……娘の身体に気付いて……貴方、会わなくなったんですか?」
そうだよな、母親なら一番に娘の事を考える。
相手がどんな男でも。
「いえ、違います……俺が、の傍にいても、の為になんねー……そう思ったから……
それに俺、まだ公表してないんですけど、もうすぐこの街、出て行くんです」
「娘はその事は……」
「いえ、すいません。言えませんでした」
皆が沈黙する中、俺は口を開いた。
「俺の傍にいると、犯罪に巻き込まれる可能性がどうしても拭えねー。それよりもには、NEXTじゃない普通の男が……の心のキズを……」
俺は唇を噛んだ。この続きが……
言えなかったんだ。
だって本音じゃねー
本音はの心も身体も俺が癒して、アイツの……の全てを受け入れたいんだ。
でも、今の俺には……
目の見えないをここに置いて離れる、いや連れて行ったとして……
アイツはここを……こんな辛い目にあったこんな街でも大好きだって言ったんだ。
一緒に行こうとは言えなかった。
だって俺は24時間、片時も離れずアイツと一緒にいるなんて出来ないんだから……
黙ったままの俺を見て、アニエスが言った。