第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
その日の夕方にはママに連絡も取れた。
最初はなかなか渋っていたのママも、娘の目が治るかもしれない、その言葉にはやっぱり敵わなかったみてーだ。
あっさり2つ返事とまでは言えねーけど、協力してくれることになった。
その代わりママの出した条件は、アニエスと一緒に俺が話を聞くってことだった。
そして翌日には、俺たちはママの話を聞くことが出来た……
………………
娘には当時、お付き合いをしている人がいました。あの日は、その彼と会う約束をしていたんです。
夕暮れ時に、彼との待ち合わせ場所に行くと、その彼はまだ来ていなくて、娘は彼に電話をしました。
すると、彼はもうすぐだから……って、笑いながら……娘に言ったそうなんです……
もうすぐ、そう言う彼と話ながら待っていたそうです。その時、後ろから突然襲われて……
娘が携帯を握りしめて叫んでも、彼は
「もうすぐだから」
って笑っていて……
でもすぐに身体を硬直させられて連れ去られた後……
気付いた時には……
そこまで一気に話すと、当時を思い出したのか、ママが泣き出してしまった。
思いっきり、しかめっ面で聞いていた俺は
ハッ!として、急いでママの背中を擦ってやった。
するとママは
「ライアンさんは……この事に気付いたんですよね……」
のママは、と同じグリーンアイを涙で濡らしながら、そう言った。