第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
「ごちそうさま~おいしかった~ライアンさん、また来ようねっ!」
「へいへい」
可愛く笑ってくる千代紙に、思わず笑いが溢れる。
和やかな雰囲気のまま、俺達は店を出た。
「それにしても、今日は降りますね」
バーナビーが空を見上げて言った。
「あぁ……ほんとにな。明け方からずっと、どしゃ降りだ、傘もあんま役に立たねーな」
オッサンがぼやきながら、いつもの公園を横切ったとき、少し遠くから
「ワンッ」
犬の鳴き声が聞こえた。
……まさか……今の鳴き声……
いや、犬の鳴き声なんて……どれも似たような……
「ワンッ!!!ワンッ!!!」
違う!!!これはモリィだ!!!
が公園に来ている!
俺はこの雨の中、待っているだろうの元に駆け出そうとした。
俺の気配に感づいたのか、3人は何も言わない。
なのに
Beep Beep Beep Beep
俺とバーナビーそして、オッサンのPDAが鳴り響いた。
『見つかったわ。例の犯人。話があるの今すぐ来て』
アニエスの声が響く。
「私が彼女の所に行くから。大丈夫。行ってきて」
千代紙に背中を押されると、俺は後ろ髪を引かれる気持ちと……
犯人が見つかって逸る気持ち
2つの気持ちを胸に抱え、アニエスに指定された場所へ急いだ。