第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
今度は雨の日が続いた。
雨の日は、会う約束をしていない。
モリィに連れて来てもらっているは、雨降りの日は外を出歩くのが大変だからな。
それを承知なんだろう。バーナビーが声をかけてきた。
「ライアン、ランチ一緒に行きませんか?少し話したい事もあるので」
「あぁ、そうだな」
俺は持っていたペンを置いた。
そう、あと1週間もすれば俺は、この街を出て行く。
さすがに周りも少し慌ただしくなってきて、書類仕事なんかもこれが最後!と言わんばかりに増えてきていた。
「虎徹さんと、千代ちゃんも一緒ですよ」
「わかってるよ」
最近、3人でいるところをよく見かける。バーナビーにとっては、いい傾向だ。
愛する彼氏と何でも話せる友達、と言ったところか。これでアイツも、寂しい夜なんて過ごすことはないんじゃないのかな。
ふっ……と、あの日の事を懐かしく思う。そんなに前の話じゃないのに。
もう俺の中では、キレイな思い出に変わってきている。
ゲンキンなモンだな。
これ以上落ち込むことなんて、ないんじゃないか!?なんて思うぐらい落ちたってのによ。
のおかげで、俺はこんなにもアッサリと浮上できたんだ。
それだけで、俺にはに対して感謝の念以上のモンを感じるんだ。