第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
でも、俺が傍にいるよりも、アイツは……
そんなことを考えていると、いつの間にか公園に着いていた。
いつも会っていたベンチが見えるギリギリの所から、俺は様子を伺った。
来てる……
もう、何日も晴れた日が続くのに、俺は一度も公園には足を運んでいない。
それなのに、は来て待っている。
きっと他の日も同じように、待っていたのだろう。
本当は笑って声をかけて、
に触れたい。
でも、どうしても足が動かない。
ここからの顔を見るだけで、もう苦しいんだ。
そう。
NEXTの俺じゃあ……を幸せにしてやることは、できないんじゃないか?
きっとはそんなことない、って言うだろう。
でも、俺が我慢できない。
ヒーローなんて危険な仕事をしている俺は、いつどんな犯罪に巻き込まれるかなんてわかんねぇ。
を守る。
そんな甘っちょろい言葉はいらねー。
俺はに、怯えも恐れもない世界を与えてやりたいんだ。それは、俺が一緒にいると
絶対に手に入らないモノだ。
だったら俺には
の傍にいる、なんて選択肢は残されちゃいねー。
俺はの姿を確認すると踵を返し、来た道をまた戻っていた。
そんな姿を、アイツらに見られているとも思わずに。