第7章 dandelion ~love's oracle~ Ⅱ
の涙と、あの夜の事は忘れられねぇ。
何度、目を瞑っても頭の中から離れねぇ。
ま、離れるワケねぇよな。
今まで、の顔を見てバーナビーの事を考えていたんだ。
それが今じゃ、バーナビーの顔を見ての事を思い出しては考える。
いつも隣にいるんだもんな。
どっちにしろ俺はバーナビーの横には居ることができねぇってワケだ。
「最近、お昼に出かけないんですね?」
ぼーーーっと考えこんでいたら、バーナビーが声をかけてきた。
「え?あぁ。そんな時間か?」
「ちゃんとさんと話した方がいいんじゃないですか?」
「あーーーま、いいんだ。俺が傍にいるよりも……」
「何ですか?」
「いいよ。察しろよ」
「いえ、きちんと続きを言ってほしいので」
「……もういいよ。出てくる」
なんだか不満そうな顔のバーナビーをオフィスに残して俺は公園へ足を向けた。
何日だ?会ってないの。
最後に会ったのは、を家に送って行ったあの日だ。
愛らしくはにかむ。
俺はママの前だってのに、ほんとは、あの唇にキスしたくてたまらなかったんだ。