第6章 dandelion ~love's oracle~ Ⅰ
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「なんだかこのお店……凄く高級なんじゃない?」
「そうか?」
「うん……足元のカーペットも、凄くふかふかだし……」
俺は嬉しそうなに微笑みかける。
するともその気配を感じ取ったのか、俺の方を見てニコッと微笑んでくる。
俺達はテーブルに着くと、また、他愛ない話を始める。
本当はもっと……
深い話をしたいのに……
すると料理が運ばれてきた。
「うわぁ~凄く美味しそう!彩りも素敵!」
が感嘆の声を上げる。
「良かった。そうだろ?彩りも……」
彩り……色……?
!お前!!!
目が見えるようになったのか!?
俺は思わず大きな声が出そうになった。
いや、出ない……
声が出ない……身体も……動かない!!!
俺は、ハッ!!!とした……
違う………………
ここは、何処だ……?
俺は目だけをキョロキョロと動かした。
「ライアン!気がついたんですね!良かった!!!」
そこには心配そうに俺の顔を覗き込む
バーナビーがいる。
「…………っ」
頭が痛い……意識がボンヤリする…………
「ライアン、あなた現場でケガを負って……今まで、意識不明だったんですよ!」
「………………」
俺が意識不明……?ケガ……?
あーここ病院か……この見慣れない殺風景な天井は、病室の……
あっ!!!
思わず俺は身体を起こそうとした!
「何してるんですか!?ライアン!!!」
バーナビーがびっくりして、俺を支える。