第6章 dandelion ~love's oracle~ Ⅰ
そしてとうとう……とデートの約束をした日がやってきた。
夕方、仕事が終わってから、いつもの公園で待ち合わせだ。
俺はチラッとオフィスの時計を見るとまだ、昼前だった。
「今日のランチも公園ですか?」
天気のいい日は、俺がいつも公園でと待ち合わせしていることを、バーナビーも気付いて知っていた。
「いや今日は違う」
「へぇ、珍しいですね」
「まあな~」
なんて話していたら……
Beep! Beep! Beep! Beep!
出動要請だ。
こんな日に限って!!!
…………………………
『ヒーローTV 緊急生放送が始まります!』
つけっぱなしになっていたテレビから、大きな声が聞こえてきた。
「あら、また事件だわ」
「こんな昼間から事件って……でも、誰が一番に到着するのかな?」
「そうね~スカイハイじゃない?」
「う~ん……きっとライアン&バーナビーじゃない?」
「ふふ、最近はずっとライアンばかりね?」
「うん……だって……」
「彼と同じ名前なんでしょ?」
「彼って……まだ、そんなんじゃ……」
「でも今日、デートするんでしょ?」
「デートか……な?わかんない」
「いいのよ、楽しんでいらっしゃい。でも、デートにモリィ連れて行っていいの?」
「うん。ライアンがいいって」
「そう、優しい人なのね」
「うん!」
『おおっと!今日の一番乗りは、ライアン&バーナビーだぁーーーー!!!』
「ほらっ!ねっ!」
そこには嬉しそうなの顔があった。