第1章 キスだけじゃ、我慢できない
シャワーを浴びてリビングに戻ると、ついいつものように、ベッドのあるロフトへ続く階段に足をかけた……
ロフトからバニーの寝息が聞こえてきた。
あいつも気を使って疲れてんだろうな……
ま、もういっか。
俺はベッドで寝るのを諦めて、リビングのカウチに寝転がった。
ま、実際ここで寝てしまうことも多いんだけどサ……
疲れていたのか、焼酎が効いていたのか、とにかく俺は直ぐに眠りに落ちた……
………………
「キャーーーー」
楓の大きな声に、一瞬で目が覚めた!
「どうした!楓ッ!!!」
「な、なんでお父さん、床なんかで寝てるのよっ!思いっきり踏んじゃったじゃないっ!」
「へ?あ、あれ?」
よく見ると、俺はリビングの床に転がり、足を楓に踏まれていた……
「もうっ!びっくりするでしょっ!」
「あーごめん、ごめん……って、お父さんの方が被害者なんじゃ……?」
「そんなところで、寝てる方が悪い!」
「そ、そうかァ?」
「そうですよ。虎徹さんが悪いですよ。おかげで僕も目が覚めましたから」
「あ、ごめんね、バーナビー……おはよう……」
「おはようございます。楓ちゃんは悪くありませんよ。それより、朝食一緒に用意しましょうか?」
「うん!ほら、お父さんも、顔洗ってきて」
「お、おゥ」
なんだか、楓とバニーの結束が強まってるな……
でも、なんか……
こうしてると、3人家族みたいだ……