第1章 キスだけじゃ、我慢できない
だいたいあいつの舌の動きが、いッつもイヤラシイんだよな。
俺の腰が勝手に疼く……
シャワーでも、覗くか……?
いや!
俺、何考えてんだ!?変態かっ!?
……いや、
それ否定できないな……うん。
だァーーーーーッ!!!
俺、ほんと、何考えてんだッ!?
カウチに寝転がり、暫くの間モンモンとしていると、上から声が響いた。
「何してるんですか?」
「へっ?あ、あれ?もう出たの?」
「シャワーだけですから。今度、ここにも僕のお気に入りのシャンプーとか置かないとダメですね」
「あれいいじゃねェか!スーーーッとするやつ」
「…………おじさん臭い……
あと、ボディソープも。なんなんですか?カキシブエキスって」
「あ!お前、あれは加齢臭にいいんだぞッ!」
「…………」
じと~っとした目で俺を見てくる、バニー……
「な、何だよ……」
「いや、楓ちゃんが気の毒に思えて……あれで文句を言わないなんて……」
「ん、だよ。いぃじゃねーか。だいたいお前も、今日が初めてじゃねェだろ?俺の家の風呂入るの」
「だっていつもは一緒に入るから、そんなこと気にする余裕がっ……!!!」
ハッとしたバニーと黙って見つめあってしまう。
なんだこれ。二人で黙って照れてるのか……
「いや、もう止めましょう。僕はベッドで寝るので、虎徹さんは、カウチで寝て下さい」
「なんで、いいじゃねぇかよ一緒でも」
「……我慢できるんですか?」
「……で、でも、ほら俺のベッドだしお前が、」
「僕は“guest”なので」
ニッコリと微笑み、俺の寝室へ向かうバニー……
あーあ。
俺もシャワー、浴びてこよう……