第6章 dandelion ~love's oracle~ Ⅰ
「お、今日はライスボールか?」
「うん。どう?キレイに出来てるかな?」
嬉しそうにライスボールとデリの入ったランチボックスを俺に差し出してくる。
「あぁ、旨そうだ。また交換しよーぜ」
「ふふ。いいよ」
俺はのランチボックスを受け取ると、自分が買ってきたランチボックスの蓋を開けて、に渡した。
「それより昨日は悪かったな。天気が良かったから、来てたんじゃねーの?」
昨日は朝から急な予定が入って、公園に来ることが出来なかった。
「あーうん。でも、モリィと二人でいたから、大丈夫だよ?」
とニコッと笑う。
「へー俺、来なくても平気?」
あんまり嬉しそうに笑うから、つい、意地悪な言い方で言ってしまった。
「え?そんなこと……でも、お仕事でしょ?ケータイも何も持ってない私が悪い……」
シュンと下を向く。
「あ、悪い!そんなつもりで言ったんじゃない……」
あれ?肩震えてる?
「何、笑ってんの?」
「だってライアン、今、私のこと凄く心配してくれたでしょ?嬉しくって……ふふふ……」
「はぁ~……そうだよっ!なんか連絡取れる方法ねーのか?」
「うーん……あるんだよ。読み上げてくれるケータイとかも……」
「じゃあ、それ……」
「いやなの………」
「え?」
珍しく否定の言葉を吐くに思わず、聞き返した。