第6章 dandelion ~love's oracle~ Ⅰ
オフィスに戻ってもバーナビーは何も聞いてこない。アイツも色々考えてんだろう。
なんて思ってたら、オフィスのドアがバンッと勢いよく開いた。
「おっ!ライア~~ン!見たぞ~さっきの~~」
「虎徹さんっ!!!」
バーナビーが少し大きな声を上げた。
………………
いたなここに。
全く空気を読まない、おっさんが……
「何、何~?あの子、どこの子だよッ?」
なんて馴れ馴れしく俺の肩に手をかけて聞いてくる。
「は?おっさんに関係ねーだろ?」
俺が少し怒り口調で答えても
「いいじゃ~ん、教えてくれてもっ!なっ、バニー!」
全く気にしてない……
「虎徹さんっ……!!!すいません、ライアン……でも、貴方……ここを離れるんですよね?」
バーナビーが、フォロー(?)を入れてくる。
「おー。ま、アンタらには関係ないから」
「冷たいこと言うなよ~仲間だろ~?」
……おっさん、マジで天然なんだな……
呆れた俺が
「おっさん、いい加減手ぇどけろよ」
なんて言っても
「大体さ、何でそんな急にどっか行くとか言うんだよ。なぁ?バニー」
俺の肩に手をかけたまま、顔を覗き込んでくる……
さすがのバーナビーも返事が出来ない……
だから俺が言ってやった。
「なぁ、今からでも遅くないぜ?こんな無神経なおっさんなんてやめて、俺にしとけば?」
俺はおっさんの手を振り払って言った。
「今、僕も少し考えました……」
「うそっ!バニーちゃんっ!?」
おっさんが焦ってバーナビーに近寄ると
「冗談ですよ」「良かった~」
なんていいながら、二人がいちゃつきだしてるよ……なんだ、これ?