第6章 dandelion ~love's oracle~ Ⅰ
天気のいい日が続いた。
俺はオフィスにいるとき、ランチタイムになれば近所でテイクアウト出来るモノを買っては、公園に足を運ぶようになっていた。
アイツ、いやは俺が少し離れた所にいても、モリィが報せるのか匂いでわかるのか、すぐに俺の方を向いて、手を振って待っていてくれる。
「待ったか?」
「ううん、さっき来たトコだよ?あ、いい匂い。今日は、チャイニーズ?」
「おう。一緒に食うか?」
俺はランチボックスの入った袋をカサッと鳴らした。
「ふふ、いいよ。私も今日は持ってきたの。モリィの分も。いつもモリィに分けてくれるでしょ?」
「作って来たのか?」
「うん、サンドイッチ作ってきたの。モリィはこれ。いつも食べてるドックフード」
「自分で作んのか?」
「うん。出来るだけ一人で何でも出来るようにね。あ、でも母にも手伝ってもらうよ。」
そう言いながら、バッグからランチボックスを取り出す。
「へぇ~」
「わ!覗き込んでる!?ダメだよ。あんまり見ないで!」
「いや、美味そうだ。キレイに出来てる」
「お世辞?」
「は?俺が?言うワケねー」
「ふふ、じゃお礼にお一つ……」
「いや、俺のと交換だ」
「え?」
俺は自分のランチボックスをに渡して、彼女の作ったサンドイッチを取り上げた。