• テキストサイズ

君とならキスだけじゃ【TIGER&BUNNY】

第6章 dandelion ~love's oracle~ Ⅰ


「悪い!大丈夫か?」

「え、えぇ……すいません……」

「いや、こっちこそ悪かった」

隣にいる犬が、倒れた女性の顔をペロペロと舐めている。
「ごめんごめん、大丈夫だよ」
倒れた女性が犬に話しかけている。

俺が手を貸して、その女性を立たせるとその女性は、こちらの方を見て

「ありがとうございます」

ニコッと微笑みながら言った。

「いや、こちらこそ……」

あれ?こちらの方を見ているだけで、この女性……俺を見ていない?

いや、違う。

「アンタ、目が……」

「あ、そうなんです目が見えなくて……それで躓いてしまって……」

「その犬は……盲導犬じゃないよな?」

「え、ええ……あ、いっ……」

「え?足か?」

「少し、擦りむいたかな?」
そう言う女性につられて、チラッとその足元を見ると

「うわ!悪い!結構いってるよコレ!ベンチに座って待ってろよ!」

「えっ?」

「すぐ戻るからっ!ここ座ってろよ!」
俺は女性をベンチに座らせると、急いで公園の近くにあるドラッグストアへ駆け込んだ。


水と絆創膏を買って戻ると、女性は犬の頭を撫でながら、何か話しかけている。

何を話しているのかと、後ろからそっと近寄ると

「あ、早かったですね」
クルッと女性が後ろに振り向いた。





/ 429ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp