第6章 dandelion ~love's oracle~ Ⅰ
先日、結構大きな失恋をした。
何でも手に入れてきた俺にとっては、かなりのダメージだった。
でも、いつまでもそんなことに構っちゃいられねー
だって俺は、俺であり続けることに意義があるんだから。
…………
なんて思っても、やっぱりいつまでもシュテルンビルトにいると
あの二人の活躍と、幸せそうな顔を見るのは正直まだキツいんだわ。
今の契約がまだ残っているけど、以前から誘われていたスポンサーと今日契約してきた。
直ぐにでもここを発ちたかったけど、ま、それじゃあまりに無責任だ。
あと一ヶ月程で、俺はこの街を出て行く。
それが決まっただけでも、なんだか少し晴れやかな気分だった。
ちなみに今は契約の帰り。ほんとはこのままオフィスに戻らないといけない……
けどま、天気もいいし、少しだけ公園に寄った。
以前、アイツと一緒に訪れたあの公園だ。
俺はベンチに腰を降ろすと、脚をウンと伸ばした。
その時
「キャッ!!!」
えっ!?誰かが俺の長い足に引っ掛かって倒れた!