第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
「あ、折紙先輩だ……」
「えっ❤️」
突然、しおらしくなって、後ろを振り向く千代紙さん。
「……ちょっと……誰もいないじゃない……」
「あれ?おかしいなぁ?」
「あんた、私の事からかってるの?大体ね、年も私の方が上なんだからね!」
「えっ!?千代紙さん、いくつなんですか?」
背伸びして僕の耳にゴニョゴニョと話しかける千代紙さんに僕は思わず……
「けっこう、いってるんですね……うっ……」
「女性に失礼ね」
「今、男だって……」
千代紙さんは、僕のみぞおちに一発入れてきた。
確かにこの力は男性のモノだ。
「おはようございます。バーナビーさん。どうしたんですか?お腹を押さえて?」
「あ……折紙先輩……」
なんと本当に折紙先輩が現れた!
「えっ❤️!?」
「いえ、ちょっと……ハハ……」
僕はみぞおち辺りを擦りながら返事をした。
千代紙さんは、もう目が❤️になっている。
「ねぇ、ねぇ、本当に折紙さんなの?」
千代紙さんが小声で聞いてきた。
「そうですよ。紹介しましょうか?」
どうやらヒーロースーツを着ていない彼に会うのは初めてのようだ。
「折紙先輩、こちら千代紙トルネードさんです」
「あ、あのっ!!!せ、せ、せ、先日は、た、助けて頂いて、あり、あり、ありがとう、ごザいマしタ!!!」
あーぁ緊張しすぎて、何か変な風になってるし。
思わずクスッと笑う。
すると真っ赤な顔の千代紙さんが、僕を見上げて睨んできた。