第5章 Loving you is Killing me.Ⅲ 前編
久しぶりの自宅は、いつもよりもシン……として
空っぽのように思えた。
ライアンに誘われるがまま、いつも彼の部屋に行っていた時には感じなかった寂しさだった。
僕はいつもこの部屋に帰ってきていたんだな……
それでもこんなに寂しいなんて感じたことなかった。
毎日、虎徹さんに会って、疲れて帰る。ただそれだけなのに……
心が満たされていたんだ。
でもあの日を境に、僕と虎徹さんの関係は崩れてしまった……
そして、ライアンとの日々……
彼は明るい太陽のような存在で……
彼の笑顔に救われていた……
でも、
この寂しさが埋まる事はなかったんだ。
僕は簡単に夕食を済ませると、バスタブにお湯を張った。
お湯に浸かる時、今日出来た身体中にある切り傷に少しの痛みが走った。
でもこの傷は、虎徹さんを守る為に出来た名誉の傷なんだ。
そう思うと大した痛みではない。
虎徹さんは僕を守る為に、もっと大きな傷を身体に作っている。
その傷すら
僕は愛おしいんだ……
やっぱり僕には虎徹さんしか……
そう思った時、ふとバスルームの鏡に映る身体を見て、僕は驚いた……