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【雑多作品置き場】short story

第8章 【現パロシリーズ】にじり口【轟焦凍】





お姉様方のお話は狭い茶室によく響く。
「それでね、先生が本当にイケメンなのよ!美男って感じの」
「でも夜霧庵家元って相当なごつい方じゃなかった?」
「先生はお母様に似てるのよ」


「あーー」と腑に落ちた声が漏れる中、
その噂の【先生】が紅白色の頭をにじり口から覗かせて、茶室に入ってきた。

持ち上げた瞳の色は2色、右と左色の違うオッドアイ。
髪も白と紅色、その髪色が映える濃紺色の着物に白い帯。
噂通りの美しい顔立ちに、顔の左側に大きな痣。

「今日は初めての人もいるから、自己紹介を…
表千家夜霧庵、一番弟子の轟焦凍だ、よろしく頼む。」

顔と所作に似合わないぶっきらぼうな物言い。
目をあげた時に、合わさった瞳の色に囚われそうになった。


その場の雰囲気が一気に桃色に染まる。

お姉様方が女の顔をしているのを見て、自分の顔が気になった。
同じような顔つきになっているとしたら恥ずかしい。



俯くと、膝上の鶯と目が合った。

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