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【雑多作品置き場】short story

第1章 【キスミー番外編】クリスマス【轟、爆豪】



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「ゆりな?いや、居ないけど?」


1-C寮の前で、さきにそう言われて
爆豪と轟は「「は?」」と間の抜けた声を出した


「2時間?3時間?くらい前に出て行ったよ…
ってか、お二人さんが一緒にいるの珍しいね」

「いろいろあってな」

轟が濁した言い方をすると
さきは「ふーん」と適当な相槌をうって

「どこにいるか聞こうか?」とスマホを開く

「頼む」


「はいよ、ちょい待ち」

なれた手つきでLINEを打つと
程なくして返事が返ってくる

「え?!」と大きな声を出すさき


「どうかしたんか」
と、爆豪が聞くと


「ゆりな…

1-Aの寮にいるって」

と、さきは驚いた顔のまま二人にいう







轟と爆豪は、同時に目を合わせ
踵を返し、走っていった




。゜⋆。゜⋆。゜⋆。゜⋆



「わぁ、ゆりなちゃん、やっぱ上手いなぁ」

『砂藤くんの教え方が上手いからだよ』
嬉しそうにそう返事するゆりな
手にはホイップの入った絞り機が握られている


爆豪、轟、緑谷の三人が出て行く少し前に、

麗日がゆりなを、このデコレーション会に誘って居たのだ


ゆりなはもともと手先の器用な方で
砂藤の手ほどきもあり、綺麗にホイップデコレーションをしていく

その様子を麗日は、イチゴを切りながら感心したように見つめた


「爆豪ちゃんたちも参加すればよかったのに」
蛙吹が顔には出さないが残念そうに呟くと
他のクラスメイト達も頷く


今まさに、最後のケーキが完成しようとしていた時だった



「「ゆりな!」」

と不参加だった2人が息を切らして寮に入ってくる


『勝己?焦凍?』


そして少し遅れて緑谷が入ってきた
「デクくん!どこいってたん?」
麗日にそう聞かれて、緑谷は「いやぁ…ちょっと…」と返事を濁して、苦笑いをする


「ちょっと顔かせ」

「来てくれるか?」

二人に呼ばれ、ゆりなは少し首をかしげたが
蛙吹がゆりなの手元からホイップを取ると

「後はやっておくから、行ってあげて」
ケロケロと笑った


『あ、うん…ありがとう』

手を拭いてから、2人の元に向かうゆりな

そのまま寮から出て行く三人を
皆遠巻きに眺めた















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