第6章 【太宰治】恋と革命【文スト】
15分ほど歩いたところで到着したモダンなアパートの階段を登っていく
一瞬足が止まったけれど
振り返った太宰の表情が心做し哀しげに見えて、
思わず、何も聞かずに部屋に上がってしまった。
静かに軋んだ部屋のドア、の先には
外装の通り、モダンでどこかの珈琲店を思わせるような小綺麗な部屋
壁を埋め尽くすほどの大きな本棚には
いくつもの名作が並んでいる。
こじんまりとしているのに居心地のいい空間に、ゆりなはぼんやりと視線を這わせた
「本は好きかい?」
後から抱きしめられた状態で、耳の軟骨に押し当てられた唇がゆっくりと甘い声で響く。
『ちょ…太宰さん…』
回された腕は制服の上から腹を這い、
ゆっくりとボタンを外し始めた
甘く噛まれた耳が熱くなっていくのが分かる
ゆりなは身体をよじって抵抗しようとしたが、力で太宰に叶うはずもなく
あっけなくベッドの上に押し付けられた
『…っ!こんな事…して、許されるとでも…』
「思ってないよ」
耳元に当てられていた顔が、目の前にくると覗き込むみたいに視線が絡んだ
「…でも、辞めるつもりもない
私は、ゆりな…今から君を犯すつもりだ」
【犯す】というストレートな言葉の響きに、ゆりなの心臓は跳ねた
宣言通り、破るみたいに制服を脱がされる
ボタンだけ中途半端に外されて
ワイシャツからはそこそこ発育のいい胸が、ブラジャーに包まれて現れた
「うん、薄紫か…
今日から、一番好きな色は?って聞かれたら薄紫と答えることにしよう」
そんな軽口をここに来て叩かれて
からかわれたゆりなの頬は一気に赤く染まる
『最…低』
「知ってる…最低ついでに私のモノになってくれ」