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【雑多作品置き場】short story

第5章 【現パロシリーズ】cup of tea【物間寧人】




物間くんが、胸元から唇を離して、
喘ぐ口を黙らせるように舌をねじ込んできた。


若い男の、欲望をぶつけるみたいな抱き方に
うっとり体を預ける。


もうどうだってよかった。

正しい愛に抱きしめられる安心感より


今は彼の香りを押し付けられたい。



後で、シャワーで流してしまえばいいだけの事




重なった瞳の、フィルターが少し外れて
揺れた気がした。




物間くんが、そんな表情をするとは思っていなくて

熱を帯びた夢から一気に現実に引き戻される。




物間くんは、なにも言わずに私の体を反転させて
腹までベッドに押し付けた



その上から体が重なっていく

尾てい骨と、恥骨
物間くんの腹筋と背骨

肩甲骨と胸筋肉

そして
鎖骨と首筋が順番に重なって


物間くんの唇が、耳の裏に当たった



穴を探し当てた陰茎がゆっくり沈んでくる

ぺちゃんこになったカエルみたいな格好で恥ずかしいけれど
隙間なく埋まった体位は
心臓の動きが背中に伝わって

なんだか幸せに感じてしまう。




物間くんは、なにも言わずに優しく奥を突いてくれた。



子供を作っちゃいけない相手なのに
バカな身体は、子種を求めて子宮が降りてくる

そして一滴もこぼさないようにと膣が締まっていくのがわかる。


コツコツ突かれた入り口に
『あ♡あっ♡あ♡』って
なんのひねりもない、ただ気持ちいい事だけを伝える声が漏れた



やわやわとした、
ただの性行為だったと思う。


この人が、私をどう思ってるかとか
どうでもよくなる程
気持ちがいい、行為。



時々物間くんの口から漏れる声が愛しい。



愛しいなんて思っちゃいけないのに。







「ねぇ」

と声がして、なにも考えず、快楽だけでいっぱいになっていた脳みそを捻る



物間くんに話しかけられたみたいで

視線を持ち上げた






耳の後ろの唇に
意識が向く





物間くんは



少し泣きそうな声で




この世界で、私にしか聞こえないようなボリュームで、言ったの








「僕、ゆりなさんのこと…


結婚してる事以外…全部好きだよ…」






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