第5章 【現パロシリーズ】cup of tea【物間寧人】
こういうのって、ドアが閉まった途端貪り合うようなキスから始まるのだと思っていたのに
私の期待を裏切って、物間くんはコートを預かってくれたりと、紳士的だった。
窓から見える景色はやっぱり真っ白で、窓ガラスに触れると、手の熱で少し曇った
その上から重ねられた左手
ふたつ重なった左手の間に
私と旦那の愛の証が隠れている。
物間くんの唇が左耳に触れた
すごい…
体が悦びに震えていく
これだけの接触で、感じていい度合いじゃない。
これからどうなってしまうのか
怖いようで、期待に胸がバックンバックン音を立てた
反転した体の
窓が背中に当たる
脱がされたジャケットが床に落ちた。
それは、ハンガーにかけてくれないのね
シフォン素材のブラウスが窓ガラスの水滴に濡れる
冷たいから早く脱がせてほしい
冷たいから…よ?
こんな所にいるのも
大雪で帰れないからだし
こんなことをシようとしているのも
旦那がLINEを返してくれないからだ
もう1度確認みたいに唇が押し付けられて
私は承諾するみたいに口を少し開ける
舌先が触れた
もどかしい
もっとがっついて来てくれたらいいのに
そんなもどかしさを知ってか知らずか、物間くんの舌使いはわりと、受け身で
たまらなくなった私は舌を絡ませ、彼のセーターを掴んだ。