第2章 【爆豪勝己】甘い香り【R指定】
玄関のドアがバタンと音を立てて閉まる
私は爆豪くんの腕の中で、止まらない涙に困っていた
好きになるのって、すごく不安になることなんだね
ずっと、良くも悪くも【個性】のせいで
好きになってもらえて当たり前の人生を送って来た私
相手が自分を好きか好きじゃないかって悩むのって
すごく不安でドキドキするんだね…
爆豪くんの甘い香りに包まれながらそっと目を閉じ祈る
お願い爆豪くん、私の事を好きになってください
どうしたら伝わるんだろう
私がどれだけ あなたが好きか
腕をそっと爆豪くんの腰にまわす
爆豪くんもギュって腕の力を強くする
違う…伝わらない
言葉にしてしまえば、簡単に伝わる「好き」って気持ちも
抱きしめるだけじゃ、爆豪くんに伝わらないの
少し体を離して、爆豪くんのネクタイを引く
お願い、届いて
私の気持ちに気づいて…
引き寄せた頬にそっとキスをする
これが私の精一杯だから
心臓が飛び出そう、爆豪くんがどんな顔してるのか見るのが怖くて目が開けられない
爆豪「焚き付けたの、お前だからな…」
目を開けると、ドアに押し付けられて乱暴に口付けされる
(爆豪くんの舌熱い…)
熱くて甘くて、とろとろにとろけそう
顔が離れて、視線が合う
(爆豪くん…好き、大好きなの)
「好きだ、ゆりな」
爆豪くんが呟くように言う
私が一番欲しかった言葉
「好きだ…」
何度も何度も降り注がれるキスと愛の言葉
この言葉の波に溺れてしまいたい
(爆豪くん……爆豪くん…)
ぎゅうって抱きしめると、お腹のところに何か当たる
スマホ?かな?
爆豪「悪ぃ、立った…」
耳元でそう言われて、意味が分かって…体がどんどん熱くなる
爆豪くんの手が、私のネクタイにかかって
スルスルとネクタイが床に落ち
爆豪「嫌だったら、今俺のことを突き放せ」
ブラウスに手をかけたまま、爆豪くんが言う
私は、爆豪くんのネクタイを外して、
床に落とした