第2章 【爆豪勝己】甘い香り【R指定】
チャイムが鳴って、帰る用意を済ませて
ソワソワしていると心操くんに話しかけられる
心操「あいつ来るの?」
うんうん、と首を縦に振る
【何回もあってるのに、
毎回すごく緊張する…】
メモを見せると、心操くんは「大丈夫だろ」って言ってくれた
心操「あ、髪に」
そっと髪に触れる
心操「ゴミついてたぞ」
ありがとうって手を合わせてお礼をいう
爆豪「おい」
いつの間にか爆豪くんが教室のドアの所に立ってた
カバンを手に近寄る…けど
爆豪くんなんかちょっと怒ってる?顔が険しい
(私何かしちゃったかな…)
無言のまま帰路を歩く
電車の中でも、一言も話さなくて
気まずい雰囲気…
もうすぐ私の家に着いちゃうけど…このままバイバイしたくないな
家の前についちゃって、鍵を開ける
また明日ねって言おうと思って振り返ると
爆豪「さっきの…」
爆豪くんが口を開いた
爆豪「さっきの男、誰だ」
(えーっと、心操くんのことかな…?)
【心操くんだよ】スマホに打ち込んで見せる
爆豪「オレ以外に触らせんな」
【?】
爆豪「あいつが、お前の髪触ってんの見てから…
クソ気分が悪ぃ」
(爆豪くん…それって…)
自分でもみるみる顔が赤くなるのが分かる
そんな事言われたら勘違いしちゃうよ
爆豪くんも私の事好きなのかなって
俯いて顔を隠す、こんな赤い顔見られたくない
なのに、爆豪くんが手を掴んできて…目が合う
あぁ、私この人の事すごく好きだ
赤い鋭い目も、薄い唇も、真っ白な肌も、触ると痛そうな髪も
全部全部好きになってしまったみたい
爆豪くんはズルイ
こんなに優しくして、好きにさせて
胸が苦しくなるの
爆豪「ゆりな……」
爆豪くんが驚いた顔で私を見て来る
ん?あれ?
私なんで泣いてるんだろう
爆豪「っ!……上がるぞ」