第20章 So Cute!【相澤消太の場合】
『よし、がんばる!』
もう一度腕を降って投げると、ボールは遥か彼方にぐんぐん伸びていった…
『え?』
信じられないことに、通達されたのは∞の記録で、私は『そんなはずないです!』と抗議するけれど…
「記録は記録だ」
先生はそう言って取り合ってくれなくて、渋々列に戻った。
『あ、あの…』
話しかけたのは、さっきボールを渡してくれた女の子
『えっと、麗日…さん?だっけ』
「あ、うん!お茶子でええよー!
わたしも、ゆりなちゃんて呼んでもええかなー」
『あ、うん!えっと、お茶子ちゃん
さっき…もしかしてその、ボールに…なにかしてくれたりしたのかなって…』
「あー、うん…でも、ちょっとボール無重力にしただけやから!
ごめんなぁー勝手に!でも、なんかゆりなちゃんのこと助けたくて…」
照れながら笑うお茶子ちゃん
『そんな…ありがとう…
やさしいんだね…』
「そんなそんな!優しくないよ?
ゆりなちゃんが、かわいいだけやから!」