第17章 【夜シリーズ】イロコイ2【爆豪勝己】
ーーースキナヒト
その単語におばさんが乗り出した。
「んま!仕事は?!稼ぎは?写真はないの?!」
怒涛の質問に、私は少し尻込みしながら、顔だけは笑顔を保つ。
苦笑いだろうが、おばさん相手には十分だ。
『接客業です…稼ぎは…結構多いです、写真は持ってません
一方的に私が好きなだけなので…』
「まーーー…そうなの…?
でも、その人とうまくいくかもわからないし、
会うだけでも会ってみたら?」
『……いえ、あの…』
おばさんの言葉が心をえぐってくる。
もちろん、勝己と付き合えるだなんて思ってない。
私はあの人を愛して、あの人に愛されるだけの関係だけれど
それはあくまで店の、あの席の中だけでの話だ。
半径2メートルの空間で、1歩でもそのフィールドを出れば
彼の腕は他の女の肩を抱く
そんな曖昧で、わかりやすい関係。
私はお姫様じゃないし、お姫様になりたい訳でもない。
もちろん、勝己が王子様でもないのも分かってる
そんな夢は見ない
私はいい大人だから……