第17章 【夜シリーズ】イロコイ2【爆豪勝己】
膝が苛立ちに揺れ始めたのを見て、私は人差し指を高く上げた。
『り、、、リシャール!もう一本お願いします』
勝己の許可を取らずに、赤毛の黒服さんに言う。
「2番テーブルの姫から、リシャールいただきましたァ!」
赤毛さんが大きく声を上げる。
あっちも、リシャール2本…こっちも2本…
これで勝己の面目が保たれるといいんだけれど……
そう思っていたら、グイッと腕を引かれて、ソファーに押し付けられた。
また、ほかの男性と話したことを怒られてしまうのだろうか…。
そう思っていると、フワリ…髪を撫でられて、固く閉じていた瞳をそろそろと開ける。
「ゆりな…テメェやるじゃねぇか」
勝己が…笑ってる
ニヤって口角を上げて。
頭を撫でられているんだって気づいたら、嬉しくて、涙が出てしまった。
「あーあー…泣いてんじゃねぇよブスが」
『ごめん…なさ…』
机の上のペーパータオルを渡されて、それで涙を拭う。
「お前は俺に惚れてりゃいいんだよ」
『うん…!うん…』
そんなことを言われたら、泣くのを止められない…。
嬉しくて、嬉しくて…。
やっぱり勝己に出会えてよかった…って思う。
絶対私がナンバーワンにしてあげるんだって…
ううん、ナンバーワンになる手伝いをさせてもらうんだって
思うんだ