• テキストサイズ

【雑多作品置き場】short story

第16章 【夜シリーズ】イロコイ【上鳴電気】




電気は私のことが好きだから…私に風俗して欲しくないって思ってくれてる…

でも私達にはお金がいる。







(本番がないお店もあるって…聞いたことあるな…)







私はぐっと生唾を飲み込んで、覚悟を決める。








『電気、やっぱ私明日も来るよ』





「え!?ウソ、マジ?いいの?」




電気は大きく目を開いて、心底おどいてるって顔をした。
そんなに私に会いたいって思ってくれてるんだって思ったら、この覚悟も間違いないなって思える。






『うん!だって、電気私がいないとダメになるでしょ?』

そう尋ねると、
「うん!オレ、ゆりなが来てくれるだけでチョーハピネスだからさ。
マジ嬉しい」
電気はニカッと眩しい笑顔を向けて、もう一度ぎゅーっと抱きしめてくれた。








(2人でお店を持てば…すぐに借金だって返済できるし…
それまでの我慢だもんね…!

これは電気だけのためじゃない…私たちの夢のためなんだから)




電気に頭を撫でてもらってるあいだ、私は何度も何度も、
「2人の夢のため」って言葉を繰り返した。




まるで呪文みたいに。










- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -








翌日会社が終わってすぐに、電話で予約していた性感マッサージ店に面接に行った。

本番なし、暴力行為なし、プライバシーの保護もきちんとしてあるって説明を受けて安心したし、
何より一回あたりの給料を見て驚いた。

(あの給料なら、きっと、今日借りる分もすぐに返せるよね…)


初めての貸金業者も、すぐにお金を貸してくれた。
これで今日はお祝いにロマネを入れよう。

また夢に一歩近づいたお祝いに。


/ 261ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp