第2章 【爆豪勝己】甘い香り【R指定】
昼休憩を告げるチャイムが鳴る
もう15分前から心臓バクバク
チャイムが鳴ってすぐ、あかねちゃんのそばに行く
心読「うんうん、緊張するねぇ
心の中すごいことなってるね(笑)」
あかねちゃんの手を繋いでブンブン振る
私変じゃないかな、変な顔になってない?
心読「ん?大丈夫!めっちゃ可愛いよ」
なんか緊張しすぎて、調子悪くなりそう…
心読「えー?
あ、来たよ、ほら」
振り返ると、教室の入口に爆豪くん
クラスのみんなも爆豪くん見てる…そりゃそうだよねヒーロー科の人が普通科にきてたら目立つよね
心読「ほら、行っておいで〜」
あかねちゃんに背中を押される
うん、行ってくる
お弁当袋をもって近寄ると、爆豪くんは「いくぞ」って手を取ってくれた
あかねちゃんに小さく手を振って付いていく
爆豪くんの手って大きくて、ゴツゴツしてて
なんだか強そう
守られてるって感じがする
私と爆豪くんは屋上に、ベンチが何個か並んでいて
お弁当組には人気の場所だ
爆豪「ここでいいか?」
こくこくと頷き、爆豪くんの隣に座る
爆豪くんはコンビニ袋からパンを取り出して食べ始めた
私もお弁当を開いて膝の上に置く
いただきますをすると、爆豪くんがこっち見て
爆豪くんもパンをくわえたまま、手だけでいただきますって
なんだか、可愛いなぁって思ってクスクス笑ってしまう
?「あの!ゆりなさん!」
突然名前を呼ばれて見上げると、知らない女生徒さん
女生徒「ずっとファンだったんです!よかったら握手してください!」
私はお弁当を膝から下ろしてベンチから立ち上がって彼女の手を握った
応援してくれてたんだね、ありがとうって
女生徒「ありがとうございます!」
彼女は友達の元に嬉しそうに走っていった
入学してまだ3日だけど、こういう事は良くある
普通の高校に来たからには覚悟していたから気にならないけど
一緒に居る人には申し訳なく思う
ベンチに座り直してから爆豪くんに『ごめんね』と顔の前で手を合わせる
爆豪「大変だな、お前も」
爆豪「目立つと、良くも悪くも色々言われんだろ」
ふと、周りを見てみる
ほかのベンチに座ってる人たちがこちらをチラチラ見ているのが分かる
好奇の目に晒されるのは私だけでいいのに
爆豪くんにも迷惑かけちゃってる…