第10章 【現パロシリーズ】orange【相澤消太】
涙が引っ込んだ2人…ゆりなと哉太は
相澤を凝視して固まる。
相澤も、唇を離した後に
何してるんだ?と
自分自身の行動に首をかしげた。
自分の行動を理解したのは、ゆりなの頬が完全に紅に染まった瞬間で……
もうここまでしてしまったら、あとはどうとでもしてしまおうと
半ばヤケになって、
「……引っ込みがつかなくなったから言うが
俺は、お前が好きだ」
と暴露した。
『…相澤…先生?』
「俺の気持ちはどうでもいいから
とりあえず警察に行くぞ。
その痣…立派な傷害罪だ」
相澤はゆりなの手を引こうとするが、ゆりなは動こうとしない。
「ついでに俺も、強制わいせつ罪でしょっ引いてくれていいから」
『……』
ゆりなは、一つ頷くと
手を引かれるがまま車に乗り込んだ。
続いて隣に座る哉太は、未だ状況を飲み込めていない様子で
「ねぇ、お母さん…
相澤先生が新しいお父さんになってくれるの?」
と真剣に聞いている。
その問いに、何も返事せずに居るゆりなを乗せた車は
ゆっくりと走り出した。
ほどなく進むと、ゆりなは一つ息を大きく吐いて
『…すみません、警察に行く前に…
市役所によって貰えますか?』
と、相澤に話しかけた。
「…わかった」
簡素な返事の後、相澤はハンドルを切り、左車線に入る。