第10章 【現パロシリーズ】orange【相澤消太】
学校に着いてすぐ、車から降りると腰のあたりに衝撃がぶつかって
下を向くと小さな腕が腰に巻きついていた。
まだ登校には早い午前6:30
教師も全員揃っていないというのに…どういうことだと首を捻る
「おい…だれ…」
「相澤先生…!お母さんを……
お母さんを助けて!」
泣きそうな声の主…いや、もう既に泣いている声の主は口付哉太。
一気に体から熱が失われて行くのがわかる。
相澤は膝をついて哉太に向き直り、服で隠れている腹や背中を確認した。
どこにも痣はなく、ホッと胸をなでおろすが
またすぐに険しい顔で哉太の目を覗き込んだ。
「哉太、どうしたんだ、なにがあった」
「う…っく、え…っ…っく」
泣いていて話にならない哉太を抱きしめて頭を撫でる。
そのまま抱き上げて、車に乗せ
アクセルを踏んだ。