第10章 【現パロシリーズ】orange【相澤消太】
鶏つくねを箸に指しながら、マイクは「そう言えば」と話を続けた。
「オールマイト先輩のやつ、返事したか?」
オールマイト先輩…何でもできるから、という理由で呼ばれているが、八木俊典は彼らの卒業校雄英大学屈指の有名教師で
今度新設する私立校へむけて、この3人はスカウトをされているのだ
「私はもちろん!行くわよ!」
ミッドナイトはビールジョッキを掲げて立ち上がる
「オレももちろん行くぜぇ」
マイクがそのジョッキに合わせるようにカクテルを持ち上げると
二人のグラスがチン!と鳴った
「俺は…まだだ」
いつもあらゆることを即決で決める相澤の返事に二人は顔を見合わせて驚く。
「オイオイ、DOしたんだよ!?
お前ならすぐにYESって答えると思ってたぜ?!」
「そうよ、あんたオールマイト先輩の事尊敬してたじゃない」
座り直す二人にググイッと顔を寄せられて、相澤は苦々しい顔をしながら、顔を背けた。
「…予定が変わったんだよ、色々と」
バツの悪そうな表情に何かを感じ取った二人は顔を見合わせたあと
もう1度相澤に向き直る。
「エーット……え?もしかしてガチ?」
「青臭ッッッッ!!!
既婚者に本気で惚れてるとか…青臭すぎでしょ!」
二人は両手で口元を抑え、明らかに楽しんでいるような表情をする
「お前らな…」
相澤は否定するでもなく、最後の鶏つくねに箸を伸ばして口に放りこんだ
やけに濃い味付けが、早く結婚しろよ、と言ってくる様だった