第10章 【現パロシリーズ】orange【相澤消太】
『それは……………寒がりで』
無理矢理な言い訳をして、見破られまいと目をそらすゆりな。
相澤は、溜息をつきながら乾いた唇を開く
「さっきからそんだけ水飲んでてか?」
見ればほぼ満タンに入っていたはずの水は底にほんの少し残るだけで
ゆりなは嘘がバレた恥ずかしさから顔をカッ!と赤らめた。
相澤の長い腕が、ゆりなの腕を掴むと
確かめるように見つめながら、ゆっくりと袖口をめくった。
「やっぱりな」
袖上10センチ
古いものから、真新しいものまで
濃淡のある、内出血……
椅子から立ち上がり
首を隠すハイネックをめくると幾多もの噛み跡が鬱血している。
「旦那のことを、愛してんのか?」
『酷なことを聞くんですね』
ゆりなは自称気味に笑いながら、袖と首元を戻す。
気づけばオレンジ色の色は失せて、冷たい蛍光灯の光だけの教室。
窓の外は漆黒だ。
『そろそろ、少年クラブが終わりますから…』
哉太の迎えに立ち上がるゆりな
「帰んのか…?
そんな家に」
『…昨日帰って来たんで、
あと一週間は帰って来ませんよ
ご心配ありがとうございます』
よそよそしく視線を合わせずにカバンをひっつかむと
逃げるように教室から出て行った