第8章 【現パロシリーズ】にじり口【轟焦凍】
『先生は…っ…』
言葉をつまらせながら言うと、轟は
ゆりなの声がよく聞こえるようにと身体を折り重ねた
『…なんで、こんなことを…する、んですか…』
ゆりなの投げかけた言葉に、轟は驚いたように目を丸くする
「あれだけ言っても…分かってねぇのか…」
『なに…を』
「俺はゆりなが好きだ」
『っ!?』
カッと顔に熱が集まる。
「…っ締まったな」
轟は嬉しそうに喉を鳴らすとゆっくりと身体を揺らし始めた
『は…ぁ…、や…』
「嫌じゃねぇだろ、本当は…」
『っ…!嫌です…よ』
じっと見つめて、検分するような視線から逃れるように横を向き、否定の言葉を訴える
轟は、ゆりなの身体を起こすと、シートに座り
その上に跨がらせるように腰を掴んで固定した。
一度抜けた男根は、十分に濡れていて、
触れ合わせるだけでズブズブとゆりなの体に埋まっていく。
『ひン…っ…♡』
声の尾っぽに甘さを見つけた轟は、ゆりなの身体を掻き抱いて腰を打ち上げた。
「好きだ…ゆりな」
そう呟くと、轟の唇に一気に距離の近くなった耳元は
紅が指して、熱くなる。
轟は柔らかく口角を上げると、甘いため息を漏らした。
「また締まったぞ…」
『や…嘘…そんなこと…っあ♡』
「嘘じゃねぇ、
好きだって言う度に、俺のことを締め付ける…
なぁ、ゆりなも、俺のことが好きなんじゃねぇのか」
『ちが…違う…だって、私…っ』
自分の立場を確認しようと、轟に巻き付いた左手を同じく巻き付いている右手で確認するが
左薬指に、いつもの己を縛る約束の輪は無く
ゆりなは大きく目を開いた。
(そうだ…着物だから、外して……)
「…ゆりな?」
名前を呼ばれてハッとする
横を見ると、轟と目がかち合った。
その瞬間、自分の中で何かが弾けるような感覚に襲われる。
ザクロの実がこぼれ落ちるように
『うぁ…や…せんせ…!』
「っ…ぁ…ゆりなでる…」
どちらからともない、接吻
ガラス窓を、雨の打つ音がやけにはっきりと聞こえて。
誰かに諌められているような気持ちになった。
誰も見ているはずはないけれど。