第9章 乱離骨灰【ラリコハイ】
「………………っ!」
その天女の様な笑顔に俺と信長様は同時に息を飲む。
これ程までか……この女は。
例えるならばそう、弥勒菩薩。
ああ……第六天魔王であっても跪く筈だ。
徐にに覆い被さった信長様は、の首筋に顔を埋めて独り言ちる様に呟いた。
「何度も貴様は俺の物だと言ったが……
この俺の方こそが貴様の物なのかもしれぬ。
貴様の全てに雁字搦めにされて、もう生涯離れられる気がせぬ。
………
後生であるから俺を手離さないでくれ。」
まるで幼子の如く甘える信長様を両腕で包み込み、瞼を伏せて信長様の髪に口付けながら微笑むの姿は、目を細めて仕舞う程に神々しい。
「……愛して良いか?
貴様を、もっと。」
「……ん゛。」
の承諾に安堵した信長様は、一度だけ啄む様に唇を重ねてから上体を起こしてを大きく開脚させる。
「此所に、俺の全てを注ぎ込む。
貴様の奥の奥までが、『織田信長』で染められる様にな。」