第6章 望蜀之嘆【ボウショクーノータン】
俺は一呼吸置いてから己の自尊心をかなぐり捨て、すくと立ち上がった。
「………待っていろ、。」
文机の上に在る文筥に近付き、その中からあの陶器で出来た張型を取り出す。
信長様がとの睦事で使用した後、此処へ片付けていたのを俺は知っていたのだ。
その異形さに一つ小さく息を飲み、再びの傍らへ腰を下ろした。
こんな下品な物がお前の中に挿るのか……
いや、に取っては俺の一物なぞより余程此方の方が嬉しいのかもな。
無機質な物体に負けた己の一物を哀れに思い嘲笑を漏らしながら、その陶器独特の冷たさを緩和させようと俺は張型を舐め回す。
そしての目元にふわりと信長様の夜着を掛けた。
俺の姿はもう見なくとも良い。
その匂いに包まれて、お前が唯一望む男を思い浮かべれば良い。
俺はその為の……只の道具で構わない。
「………挿れるぞ。」
秘裂に張型を押し付け、そのままぐっと捩り込めば
「あ゛あ゛っっ…!」
は驚く程の反応を見せる。
先程までぴくりとも動かなかった身体がひくひくと痙攣し、顔に掛かった夜着を両手で確りと握り締めた。
張型は未だ半分程しか埋まっていない。
此れを全部挿れたなら……