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【ヒロアカ】⚡︎【上鳴電気】

第18章 上鳴電気の願望





「……ってことで、買ってきました」


『どういうことで?』



帰ってくるや否や、差してきたドン・キホーテの袋を咲良は受け取りながら疑問符を出す


中を開けてみると、


『セーラー服?』

「そ!夏物セーラー服!」



袋から出てきたのは、紺色の襟のベーシックなセーラー服
ネクタイも紺色


「ネクタイ、赤じゃなくて紺色なのが俺のこだわり」

『へぇ、まぁでもうちの学校も紺色だよ』


特に珍しくもなさそうに手に持って眺める咲良に


「お願い!着てください!!!」

両手をパン!と合わせて頭を深々と下げる上鳴
前回断られた苦々しい過去があるため必死だ



『別にいいけど』


帰ってきた返事は、思ったよりあっさりとオッケーしてくれて
上鳴は信じられない様子で目を見開く


「…え?いいの?」


『え…逆になんで?
こんなの毎日着てるし…』

なんでそんなに嬉しいの?と首を捻る咲良であったが、
着替えてこようと、脱衣所に向かう






『着たよー?』

脱衣場から現れた、セーラー服に身を包んだ咲良に

上鳴は言葉を失い、膝をつく


そしてゆっくりと両手を天高く突き上げると


「生きてて…生きてて良かったです…」

と呟いた


『はは、何それ?』

咲良からしたら、何がそんなに嬉しいのかわからない

だってこの姿で毎日登下校して塾に行ったりしているのだから



一方上鳴の心中は穏やかではなかった

約2万円ほどかけてまで、かなり正規に近いセーラー服を買ってきたのには、それなりの目的があったからだが

そりゃあ、あれやこれや、あんなことやこんな事のために買ったのだが

咲良が着た姿を見て、そんなよこしまな願望よりもっと、したい事が見つかってしまった



「な、咲良

明日、それ着て、学校帰りにデートしよ」


膝をついたまま、両手を引き寄せ、頼むと
咲良は驚いたように目を大きくした

それは、咲良もしたいと思っていたことで
まるで以心伝心したかのような上鳴の申し出に頬が緩む


『うん!したい!』

嬉しそうに笑う咲良の頭を撫でて、額にキスを落とす


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