第16章 御都合主義の個性さん2
「あ、じゃあ俺が咲良をどれくらい好きかって話していい?
まずさ、ほぼ一目惚れだったわけ
さみしそうに座ってる姿がめっちゃ可愛くてさ…
12も年が離れてるってわかった時は、めっちゃ慌てて警察行こうとしてたけど、あの顔も可愛かった
個性もさ、花言葉?
俺、植物図鑑買って、咲良の出した花の花言葉は全部マーカー引いてんの
だってかわいくね?手から花出す時とか堪んねぇの
妖精かっていいたくなる」
ほぼ惚気に近い話をしてしまうのは、
目の前にいるのが、咲良でありながら咲良じゃないからで
そんな俺の語彙力底辺の話を咲良(15)は
一生懸命きいてくれた
その姿は、いつもの咲良と同じで…
やっぱり俺は…
「俺さ、15になった咲良見れて
すげぇ嬉しいけど…やっぱ、27歳の咲良に会いてぇわ…」
目の前にいるのも咲良なのに、変な話だ
咲良は立ち静かに上がり、
俺の前にきて
『未来の私のこと、そんなに愛してくれてありがと』
と言ってチュッと唇にキスをしてきた
「?!」
突然のコトに驚いてしまう
完全に油断してて――
まさか15歳の咲良がキスしてくるなんて
想像もしてなくて
咲良はと言うと真っ赤な顔で俺の顔を覗き込んでくる
『あのね』と小さい唇がうごく
『いまの、ファーストキスです…』
…やられた
核兵器並の破壊力
そんなの我慢できるはずがない
抱き寄せて荒々しく唇を奪うと
いつもより小さい体は一生懸命俺の舌を受け入れてくれる
キスだけでこんなに身体をぴくぴくさせて
可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い
でもこれ以上はできないから
我慢しながら深い深い口付けをする
キスだけでも十分気持ちいい
心臓飛び出そうだ
酸素を求めて1回唇を離す
『っ…はぁ…はぁ…』
咲良も方で息をしている
上気した頬が桃色に染まって綺麗だ
身体を離そうとすると
咲良が俺を抱き締めてきていた腕がぎゅうっと強くなる
そういうことをされると
理性崩壊するんでやめて欲しい
「えっと……」
真っ赤な顔で俺に抱きついている咲良