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【ヒロアカ】⚡︎【上鳴電気】

第3章 ここから始めて



コーヒーがゆらゆらと湯気を立てている

私はコンビニで買ってきた便箋にペンを滑らせていた

向かい合わせの席には、メロンソーダと電気くん


《辞職届け》と丁寧に綴っていく私の手元を見ながら電気くんが口を開く
「ほんとに仕事辞めちゃうの?」

『うんー、もともと結婚しても辞めるつもりだったし』


「でも、咲良が悪いんじゃなくね?
元彼と後輩が辞めるのが筋だろ」


『そうなんだけどね

2人が辞めても、あの会社で私は後輩に男を寝取られた気の毒な人ってなるだけだし…

他のところでも仕事はできるから』



「ふーん」と言いながら、電気くんのメロンソーダの水位が下がっていく



「じゃあさ、雄英の近くの職場にしてよ」


ゆうえい?雄英高校の事だろうか
ゆうえいと云う響きにそれ以外思い浮かばない

『ゆうえいって…雄英高校?』


「そ、オレ雄英の生徒」




『はぁ?!雄英って国立の雄英高校?!
あの、偏差値79とかの…』


「そう、その雄英
しかもヒーロー科」


『ヒーロー科…』

私でも、雄英高校ヒーロー科の難易度は知っている
超超超難関だ

申し訳ないが、目の前のチャラ男くん(馬鹿そう)がいけそうな高校ではない

うん、冗談だな


「冗談だって思っただろ」

電気くんがストローに口をつけたまま
不機嫌そうに言う


『だって、雄英高校の生徒様は、超天才の文武両道ってイメージだし
電気くんは、いい子だけど…その………』

「バカそうって?」


『まぁ…』


「ひでぇ(笑)ま、今は信じてくれねーでもいいけどさ

ゆっくりでいいからオレの事知ってくれよ
とにかく!就職先は雄英の近くにすること」


『わかったよ』



すっかり冷めてしまったコーヒーを飲み
辞職届けを封筒に入れる


『じゃあ職場に出しに行ってくる』


「土日なのにやってんの?」


『サービス業ですから』



「ならオレ付いていくよ」


『は?え、ダメだよ』


「会社には入らねぇからさ
表まで付いて行かせて
でさ、辞職届出したら、飯いこ


咲良の事、1人にしたくない」


電気くんの優しさで胸が熱くなる
15歳の子供のくせに、かっこよすぎる…


『ありがとう』

素直にそう言うと、電気くんは照れたように「おぅ!」と返事してくれた





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