• テキストサイズ

【ヒロアカ】⚡︎【上鳴電気】

第12章 御都合主義の個性さん




〜相澤side〜

午後の演習授業は夜間の救助作業が課題だ
月明かりのみの救助活動をシミュレーションする

真っ暗闇の演習会場で生徒達に作業内容を説明する

「この建物の中に、人形ドローンが何体か設置されている、
見落としのないように救助しろ
2人1組になって、10分内に何人救助できるか図るからな」


こうして説明している間も、暗すぎて生徒達のことはうっすらとしか見えない

「じゃあ、クジでペアを決めていく、
ここまで来て箱からボールをひとつ取れ」

クジ箱を持って立つと、生徒が一人一人くじを引きに来た
近くまでくれば誰が誰かわかるが、なかなかに暗いな…
今日は新月モードにしてあるから、月明かりと言ってもわずかだ


その時、咲良の気配がしてハッとする
この甘ったるい匂いは……

目を凝らすと、クジを引いてるのは…

「上鳴か…」

「え?はい、上鳴っす」


もう1度息を吸い込む、間違いない、あいつの匂いだ

ハチミツとジャスミンを混ぜたような甘く儚い香り


匂いってのは記憶を蘇らせる
どんな昔のことでも


ずっと昔…照れる咲良を抱きしめて、髪に鼻を押し付けた時
香った記憶が蘇る



なんで上鳴から咲良の匂いがするんだ…




あの2人に接点はまずないだろう
咲良の仕事は基本生徒と関わりはないし、
あってもサポート科だけだ

(同じシャンプーか何かか…)

暗闇だから、咲良がそばにいるような感覚になった
いよいよ気持ち悪いな…俺も


暗視カメラの映像を見ながら授業を進める



(上鳴か…最近、目立って成長してる訳じゃないが
頑張っている)

最近の上鳴は、なにか目標か、芯が出来たような雰囲気

今まで足りなかった信念みたいなものができたように感じる
暗視鏡で、救助訓練をこなす上鳴を見ながら思う


本来、個性だけでいえば、轟や爆豪にも引けを取らない強固性
なのに、ショートしてしまう弱点と、コントロール力でイマイチな成績が多いのが実情だ

そこさえクリアできりゃ、コイツはすごい勢いで伸びる…

色々ともったいない教え子に小さくため息をついた

/ 120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp