第12章 御都合主義の個性さん
隣の隣の個室に入った誰かさんにバレたらどうしようかという危機感、羞恥心、背徳感が
グルグル混ざり合ってゾクゾクさせてくる
なぁ、咲良お前もそうなんだろ?
だからこんなに締め付けて来てるんだよな
どこの何の人か存じ上げませんが、マジで感謝
こんなエロ可愛いの咲良姿、こんなことでもない限り見れねぇもんな
隣の隣の誰かさんが、手を洗う音がする
手洗い場は俺らの個室の目の前にしかない
扉一枚挟んで向こうに人がいる状況で
こんなドロドロに溶け合って
もうダメだ、出したい
今この時に、咲良の中にオレの欲をぶちまけたい
何も言わずに腰を奥の奥に押し込む
『ん゛っ…♡♡♡』
反り返りながら咲良もイッたみてぇ
手を洗う水の音で少し漏れた声もかき消され
誰かさんはそのままな何も気付かず出て行ってくれた
「はぁ………よかった」
『何も…言わずに突然出すのは…ダメぇ』
オレの肩に頭を預けたまま咲良が言う
咲良の腕時計をみるとあと30分ある
「もっかい、抱かせて」
『ん♡後ろから…シテ』
時間ギリギリまで、扉に咲良を押し付けながらキモチイイコトを続けた
乱れた服を整え
『私、保健室寄って戻るから…』
咲良が先にトイレの個室から出る、
扉を閉める前に、少し振り返って
『ありがと…電気くん』
と小さく呟き、小走りに去って行ってしまった
「はーー…」
ベルトを締めながら、壁に背を預ける
はやく教室もどらねぇと、そろそろ休憩時間も終わる
「最高かよ…」
頭をぐしゃぐしゃと掻く
頭の中からさっきの妖艶な咲良が消えねぇ
自分の制服にに咲良の残り香がまとわりついている
花みてぇな、ハチミツみたいな、甘い香り
この匂い…好きなんだよな
深呼吸を一つして、トイレを後にした