第11章 恋敵と書いてライバルと読む
職員室を後にする咲良の背中にため息を吐く
昔はどうやって触れていたのかさっぱり思い出せない
どうやって告白して、どうやって愛を伝えたのか
12年近い恋愛ブランクが今更になって堪えるとは、ゆめゆめ思って居なかった
咲良に渡されたつつじに目をやる
携帯でつつじの花言葉を調べて見ると
【満たされる】
どう言う意味だ?
ざっくりしすぎてよく分からないが、今日はオレがらみではないんだろうな
と少し残念な気持ちで携帯をおさめる
あいつの行動に一喜一憂して
こんな非効率的な感情、どこかに納めて鍵をかけれたらいいのに
おとといから振り回されっぱなしだ
己の弱い精神を諌める
今日も平常心で働こう、ヒーローにそんな悠長な時間を過ごす暇など無いのだから