第10章 君の知らない○○
どっちがいい?と聞かれて冷や汗が出る
電気くんこっち見すぎだし、よく見えないけど涙目になってない?
『ええっと…』
安永さんが期待した目で見てくる
『私…好きな人が居るので…
今はほかの人がどうとかあまり考えれなくて…』
そう答えると、電気くんがあからさまに嬉しそうなオーラを放つ
隠す気あるのかな、この子
「えー!どんな人!?」
うー…こうやって聞かれるから嫌だったんだよなぁ
『うーん…なんかテンション高めの』
「えー意外…落ち着いた人の方が好きそうって思ってた」
『そうですね…私的にも意外かも』
「カッコイイ?何系?」
『…チャラい系の…………イケメンです』
「へーー!めっちゃ意外」
俯いてがんばって小声でいう
けど電気くんには絶対聞こえてる、喜びすぎ、こっち見てないでご飯食べなよ!
もうこれ以上電気くんの前で恥ずかしいこと言いたくなくて
急いでご飯を食べる
公開処刑とはこの事だ
明日から学食で食べるのやめようかな…って思っちゃうレベル
でも美味しすぎるから食べるけど…
食べ終わった安永さんと私は手お盆を返しに席を立つ
去り際にチャラい系イケメンのテンション高い彼氏を一瞥すると
アホみたいにデレデレした顔をしていた
バカだなぁ…って思いながらも笑がこぼれる