第10章 君の知らない○○
〜咲良side〜
先輩に毎日花をクラス用に出して欲しいと言われて
手から生み出すと、ニコチアナだった
意味は【秘密の恋】あとは【あなたに会えて幸せ】とか
電気くんとの秘密の恋愛…バレないようにって考えてたらこの花が出てしまった
相澤先輩に差し出して「ニコチンが入ってる花ですね。タバコの原料です」なんてウンチクで誤魔化す。
まぁ、こんなコアな花のどうせ花言葉なんて分からないだろうし
私の個性が気持ちを花言葉で出せるなんて、覚えていないだろう。
備品管理室に入ると、女性職員が出迎えてくれた
名前は安永さん
わたしはこの人の代わりに雇われたらしい
引き継ぎ期間は1ヶ月間、1ヶ月後にはこの人は寿退社するのだと言う
「ほんとに他では有り得ないような備品ばっかりだから頑張ろうね!」
と言われる
『はい!』
こんな仕事なかなか経験できるものじゃない
しっかり働いて優秀な方々を支えれるよう頑張ろう…
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
12:00
「よーし、切りがいいからお昼食べに行こ!」
安永さんにそう言われて時計を見ると丁度12時だった
『学食ですか?』
「うん!あそこのランチは美味しいよー!安いし」
ふたりで財布だけ持って学食に向かう
さっきは誰も居なかった学食が生徒でパンパンだ
『人すごい…』
「雄英は大きい学校だからねぇ」
ランチセットBを注文して席に着く
「『いただきます』」
『うわ!おいしい!
これ学食のレベルじゃないですよ…』
「ランチラッシュが作ってるんだもんー
これが食べられなくなるのは辛いなぁ…」
ランチセットBは唐揚げ定食だったのだが
鶏肉から肉汁が溢れるし、お味噌汁は美味しいし
あーご飯おかわりしたくなる…
《やっぱりご飯に落ち着くよね!》
『ですねぇー…って、あ!』
普通に返事していると、ランチラッシュさんが隣にいた
いつのまに…
『お、おいしいです…すごく』
《そう言ってもらえて光栄だよ!咲良さん》
ランチラッシュさんがぐっと親指を立ててくれる
《作り方知りたかったら今度教えるよ》
『え!本当ですか』
それは是非是非教えてもらいたい
ランチラッシュさんは連絡先の書いてあるメモをくれて、厨房に戻って行った