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【ヒロアカ】⚡︎【上鳴電気】

第10章 君の知らない○○



〜相澤side〜

ホームルームを生徒に任せて廊下を進む

「さっきのが俺の担任してるクラスだ
ヒーロー科、1-A組」

『え!相澤先輩の担任クラスなんですか!?』
そんなに驚くか?ってくらい咲良が驚く

「あぁ、そうだ」


『じゃあ…イレイザーヘッドって相澤先輩なんですか!?』

「そうだが、なんでお前それ知ってんだ…」
咲良がヒーローに詳しかった記憶などないが
離れていた時間も長い、どこかのタイミングからヒーローオタクにでもなったのか?

『あ、いや…なんでだろ…』

釈然としない返事が返ってくるが
まぁいい

咲良は昔と変わらず俺の後ろをポテポテと付いてくる
歩き方や、振り向いた時の見上げてくる表情
笑い声、驚いた顔、動くたびふわりと揺れる髪質
何も変わっていないのだから逆に驚く


あの時と違うのは、それらに触れれるか触れれないか
それに尽きる



17の春、二個したの学年に入学してきた咲良に初めて恋というものをした
付き合ったり、デートをしたりというものは
ヒーローを目指す上で有限の時間を蝕む合理性にかける行為だと
毛嫌いしていたが

咲良には、自分から告白し、自分からデートに誘い
俺なりに頑張っていたんだが…


卒業前に突然別れを切り出され破局


あれ以来彼女と呼べるものは作っていないのだから、
俺にとっては人生で最初で最後の女だ



俺も30、こいつも27になる
再会した時、すぐに左手薬指を確認したが、指輪は付いていなかった

結婚してないのか…指輪をつけない主義なのか

聞いたところで「結婚してます」なんて言われたら
どう反応していいのか分からないから聞くことも出来ない


「ここが学食、なんでも食える
職員も使っていい、ここで買って職員室で食うやつが多いな」

『へぇー広い…』

学食を突っ切っていると、ランチラッシュが話しかけてくる

《やぁ!相澤先生、珍しいね
そちらの綺麗な女性は?》

「あぁ、新しくここで働く花咲咲良だ
備品管理室に勤務する」

『花咲です、よろしくお願いします!』

《クックヒーロー、ランチラッシュです
いつでも食べに来て、なんでも作るから》

ランチラッシュが咲良の手を取って言う
こいつ、爽やかなナンパ男なんだよな


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