第9章 再会は突然に
咲良は髪の先を弄りながらそう言う
「え、イメチェンしなくていいって
どんな咲良でも好きだけどよ、今の髪型似合ってるしかわいい」
そう言うと、咲良は頬を染めて笑ってくれる
『ありがと…』
「先生達にはバラさねぇように皆にも言っとくからさ!心配すんなって」
咲良は明日から出勤だという
出勤と通学の時間ずらして行かねぇとななんて話す
なんか、お忍びっつーか…イケナイ事してるみてぇでちょっとドキドキだよな
「昼飯は、学食で食うの?」
『うーん、たぶん』
「なら見かけるかも♪ヤバい、ニヤニヤしねぇようにしねーと」
もう既ににやける顔を押さえて言う
『わたしも、顔赤くならないように気をつける』
咲良の笑顔を見ると、トロけそうな気持ちになる
俄然やる気しか出てこねぇ!
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学校が楽しみすぎて、正直あんまり寝れなかった
少し寝不足になりながら、先に学校へ通勤する咲良を見送る
玄関でいつもより熱いキスをすると、咲良は顔を真っ赤にして出ていった
俺も急いで着替えとヘアセットを済ませる
いつもより気合が入るのは、今日から好きな女が学校に居るから
いつどこで会ってもいいように、
あんまアホなことしねーようにしようと誓う
咲良が学校につくだろう10分後にカバンを持って家を出発した
「おっはよーーー」
教室に入ると、麗日が驚いた顔で見てくる
「なんか上鳴くん御機嫌やなぁ」
「おうよ、オレ今、幸せの絶頂だから」
カバンから教材を机に詰める
そろそろ相澤先生くるし、咲良の事の口止めは後でしよう
そう思っていると、先生が教室に入ってくる………
ガタン!と立ち上がってしまう
相澤先生の後ろに、咲良が立ってる
何でここに居んの!?!?
咲良も驚いてこちらを見て
『で…でん………』と口をぱくぱくさせているが、
すぐに俯いた、顔を見られないように手元のファイルで隠してる
「ん?なんだ上鳴、座れ」
「う、うす…」
先生に指摘されて座る
咲良は廊下のドアの影に立っている