第9章 再会は突然に
その後も電気くんはなかなかしつこくセーラー服を着てくれと
懇願していたが、こればっかりは断り続けた
悲しそうに肩を落としている姿は可哀想だが
内容が内容で、ハイいいですよとは言えない
ご飯を食べ終えて、スマホを見ると
相澤【明日、12時から面接】
というメッセージと待ち合わせ場所の住所が書いてあった
【ありがとうございます、よろしくお願いします】咲良
返信を打って、スマホを閉じる
そう言えば先輩はなんの仕事をしてるんだろう…
あの髪型からして営業とかではないはず…
先輩が中学卒業してから本当にどうなっているのか情報が入ることはなかった、そもそも影が薄かったし
高校もどこに行ったのやら
もう結婚してるだろうか?
もう30だし子供もいるかもなー
「咲良?」
そんな事をぼーっと考えていると、電気くんに呼ばれてハッとする
「どした?ぼーっとして、寝ようぜ?」
『あ、うん…ごめん疲れてて』
布団に入ると電気くんにぎゅうっと抱きしめられる
暖かくて気持ちいい、すぐに眠気が襲ってきて、深い眠りに落ちていった
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翌日、私はGoogleアプリに頼って道を歩いていた
この辺あんまり知らないんだよね…
さっきから左手にはずーっと高い高い壁がそびえ立っている
相澤先輩の指定場所までもう少しのはずなのだが…
アプリは200メートル先を左に曲がるように示している
過度を曲がると、黒い服に首元に布を巻いた相澤先輩のすがたが見えた
(あ、先輩だ!
てか先輩…あの格好で仕事してるの?カジュアルすぎない?
一体どんな会社なんだろう…)
小走りで近寄っていく会社の門が見え、、、、、、、
ん?
このロゴ…
「時間15分前、咲良、お前相変わらず15分前行動なんだな」
『あ、先輩どうも……
あのーそれで、会社ってどこですか?』
ここは待ち合わせ場所で、会社は別ですよね?そうですよね?
期待を込めて先輩をのぞき込む
「会社…ではないがココだ
雄英高校、俺の職場そして、明日からお前の職場でもある」
『えーーーーーーー!雄英高校の備品管理職なんですか?!』
『言ってなかったか』