第7章 もっと知りたい
「はよ」
『おはよ…』
枕に顔をうずめる咲良
寝起きの顔は毎日特別かわいい
布団に潜って抱きしめる
あったけぇ…
『今日だね、挨拶行くの』
「うん、緊張してる?」
『してる』
「大丈夫、咲良なら大歓迎だと思う」
『どうかな』
不安げな顔をする咲良の鼻にキスをおとす
2人でコーヒーを入れて、食パンとハム、卵を焼いて簡単な朝ごはんを食べた
最近気付いたんだけど、二人でキッチン立つの
マジで幸せ、楽しい、大好き
湯気の上がるコーヒーを飲みながら
咲良とニュースを見る
『なに?』
「なんでもない」
俺が朝ごはんの食器を洗ってる間に
咲良が化粧して着替えて部屋から出てきた
「………………」
姿見で自分の姿を確認する咲良から目が離せない
『?どしたの』
「………かわいすぎる」
紺の綺麗なワンピースは咲良の体を綺麗に包んでいる
Aラインのスカートは上品な膝丈
6分袖は細く長い腕に良く似合う
完璧だった、【親に挨拶に行くなら】の雑誌の特集があるなら
絶対見本にすべき
今すぐ全人類に、これが俺の彼女ですって言って回りたい
「なんか、似合いすぎて感動した」
『なにそれ』って笑う咲良、笑い事じゃない
皿を洗い終えて俺も着替える
細身のジーパンにブイネックの白Tシャツ
そして昨日買ってもらったブルゾンを羽織る
「やっぱこのブルゾンカッケェ!」
咲良の前でくるりとまわってみせた
『うん!やっぱりすごく似合ってる!』
二人で手を繋いで出発する、その手が震えていて、少し可哀想だった
オレの家の前についた頃には咲良は緊張でガチガチ
「大丈夫?」
『うん………大丈夫、いや…やぱ、だいじょばない』
だいじょばないかー…
咲良は大きく息を吸って吐いて
決心したようにチャイムを押した