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【ヒロアカ】⚡︎【上鳴電気】

第7章 もっと知りたい



感想を言わせてもらうと
ちょっとどころじゃなく写ってた

決勝戦まで出るとか、凄いんだよね…
最後なんか…瞬殺されてて気の毒だったけど

全部見終わった頃には少し日も傾いていた
あ、ヤバイ晩御飯の準備しなきゃ


テレビを消して台所に立つ
ジャガイモをむきながら思い出すのはさっきの電気くんの活躍

凄かったなぁって

本当に個性も派手だし、1年生でこれなら
卒業時には本当にヒーローライセンスも取って、ヒーローになってしまうんじゃないかな

それが彼の夢なら、私には何が出来るのだろう
包丁を持つ手が止まる

ご飯だなぁ、ちゃんとバランスよく食べさせて…
成長期だし
それくらいしか出来ることは無い

あーダメだ…やっぱ見なければよかった…
どうしても引け目を感じてしまう
なんで私なんかと付き合っているのかって
そして考えてしまう。付き合ってる間だけでもサポートしようって
また別れること前提だって、電気くんに怒られてしまいそう

そんな気持ちを振りほどくように首を振り、黙々と調理する
ちょうど出来上がるタイミングで、インターフォンが鳴る

玄関まで小走りに向かい
ドアを開けて抱きついた

「ただい…うぉっ!…どした?咲良」

何も言わずに首を振る、なんでもない…ただ帰ってきてくれたことが嬉しいだけ
私の不安な気持ちを、電気くんの笑顔で吹き飛ばして欲しい


電気くんに手を引かれて部屋に入る
「めっちゃいい匂いする」

『ご飯すぐ食べれるよ、手洗ってきて』

「おう!でもその前にぎゅーさせて」
そう言って首に腕が巻きついて引き寄せられる
あったかい…

「マジで幸せ」

『私も』

電気くんの胸の中で、見てはいけない夢を見る



犠牲の上に成り立つ甘い夢
何も知らない少年を、これから経験する様々な初めてを奪って
それでも彼は幸せだと抱きしめてくれるのだろうか


そうして得た幸せを、私は幸せだと思えるのだろうか


今はそんな考えを巡らすのも億劫で
ただ、週末をどう乗り越えようか…それだけに集中することにした





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